neta さよなら僕のヒーロー(ジャック鬼柳) 忍者ブログ
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「疫病神」というのが、ジャックのこのところの口癖になっている。
それと称されている当の本人は気にするそぶりも見せずへらへらと笑っているが、そんな鬼柳の態度がまた、ジャックの神経を柔らかく逆撫でた。
無論この呼称は揶揄のようなもので、親友である鬼柳をジャックは好いている。
しかしどうにもしっくりこない。この件に限らず、鬼柳の言動ひとつひとつを切り取っては、過去のそれと比べてしまうのだった。
「意外だな」
昔より幾分も伸びた色褪せた髪を揺らして、鬼柳はジャックを見た。
蕩けた蜂蜜のような瞳は、かつての強い力を失っている。あの、見る者を惹き付けてやまない光を。
「お前が過去を引きずるタイプだったとはな」
「フン。貴様ほど女々しくはない」
「違いねぇ」
その笑顔は腑抜けそのものだ。壊すのではなく、守ることに全てを捧げた男の腑抜けだ。
鬼柳京介は死んだ。今目の前に立つ男は、その亡骸である。
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